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 そして迎えた仕事終わりの飲み会。

「じゃあ小1から同じクラスなんですね〜」
「昔の二人、どんな感じだったんですか?」

 話題は予想していた通り、薫と私のことに移っていった。しかも先輩の計らいで席は隣同士にされている。

「柾さんは昔からこんな感じで、俺は結構おとなしかったかな。ね」
「そうかも」

 よそ行きモードの薫。柾さん呼びも話し方もいまだに慣れない。話題がこの後どう転んでいくかも気が気でなくてそっけない対応をしてしまう。

「入学したての頃とか、俺はあんまり馴染めてなくて。でも柾さんが引っ張っていってくれてました」
「そうだっけ? 普通に友達いなかった?」
「最初に柾さんが声かけてくれたおかげ」
「うそだぁ」

 初めて聞いたし、覚えていない。人前だから良いエピソード風に脚色しているのかと一瞬疑いそうになったけど、私の知っている薫はそういうことをする人じゃない。
 と、そんなことを考えてふと引っかかった。“私の知っている”——何を知っているんだろう。薫が今話したことの他にも、ただの友達との日常だと思って気にも留めず忘れてしまった大切な瞬間がたくさんあったかもしれない。
 疎遠になってから再会するまでの期間も長かった。私の知らない姿は確実に存在する。例えば、恋人に見せる姿とか。

「周藤先生はぶっちゃけ佳凛のこといいなって思ってなかったんですか?」

 ビールを飲みながら考えにふけっていると突然そんな質問が耳に飛び込んできて、咽せそうになった。

「な、ない! ないですって」

 とっさに否定の言葉が口をつく。

「いいなとか思ってなかったよね」

 隣にいる薫を見上げる。薫もゆっくりとこちらに顔を向ける。
 そして、その表情を見て、私は自分が大変な失言をしてしまったことに気づいた。
 でも薫はすぐに笑顔を作り前へ向き直る。

「友達としか思ってないです」