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 それからも何回か針みたいな器具が歯の中に出し入れされて、芳野先生が何度も止めようかと訊いてくれたのを断ったけど、本当はもう限界だった。
 歯の奥のほうで器具がコリコリと動かされると、今日一番くらいの鋭い痛みを感じた。

「あ……! やあぁっ」

 思わず顔を背けそうになって、足もずりっと動かしてしまう。
 二人の先生がそっと私の顔と体を押さえた。

「ごめんね、危ないから体は動かさないでね」
「ここ痛いなぁ、ごめんな」

 やだ。やだやだ、怖い。
 先生たちはそんなに強く押さえているわけじゃないのに、顔も体も動かせない。口は大きく開かされて閉じられない。
 もう頭の中が恐怖でいっぱいになってしまって、泣きながら浅い呼吸を繰り返す。

「和瑚ちゃん、もう少しだよー。ここ頑張ったら楽になるからね」

 風見先生はそう言いながら、押さえている私の腕をとんとんと撫でた。

「芳野先生、そろそろ」
「……和瑚ちゃん、これが終わったら休憩しような」

 器具が引き抜かれるときの痛みにまた声が漏れる。
 風見先生が持っていた機械も口から出て行って、そして、ライトが消された。