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「こんなに痛いものなんだな……」
 今日の処置を終えて、椅子の背もたれにぐったりと寄りかかった本条がしみじみと呟いた。目元には涙が滲んでいる。
「でもよく頑張ったじゃん。お疲れ」
「……頑張った」
「おい、自分で言うんじゃねえよ。もう少し早く治療すればこうはならなかったんだからな」
「そうだな。もうここまで放置しないようにする」
「頼むぞ?」
 笑いながら片付けを始めると、本条が横から俺の腕を掴んだ。
「内田、遅くなってしまったが次はお前の検診を……」
 そうだ、すっかり忘れていたが今日はもともと俺の検診をしてもらうためにここに来たのだ。でも本条も疲れているだろうし、俺も今の今まで治療をする側のスイッチが入っていたせいか、なんだか検診を受ける気分ではなくなっていた。
「今日はいいよ。また頼む」
 掴まれた腕をやんわり振りほどく。本条はなにか言いたげに見えたが、「わかった」と一緒に片付けを始めてくれた。