末っ子の弱点 - 1/9

 繋いだ手は強く握りしめられていた。
 深夜、煌々と電気の灯った歯科医院の待合室。診察室のほうからは時折器具の触れ合う音が聞こえてくる。

 「大丈夫だよ」

 尚の顔を覗き込んで笑って見せたけれど、その表情は硬いままだった。
 しっかりものの末っ子にこんな弱点があったとは。
 この後の治療に不安を抱いて、俺は天を仰いだ。